来年2月14日から8日間、調布市文化会館たづくりで開催する、調布市の福祉事業所の作品展「CHOFU-fufu」の準備も大詰め。ポスター撮影のあとは、会場内で流すスライドショーやパンフレットに使用する写真撮影。仕事や制作・活動風景を撮影するため、15にのぼる参加事業所を訪問した。カメラマンは、これまで100%PARADEの撮影をお願いしてきた写真家・出原れいさん。ちなみにれいさんも、2月23日からの横浜あーすぷらざでの写真展「踊りゆくガーナタウン」を控えている。
これまでも様々な作業所・事業所の商品・作品を扱ってきたが、やはり実際に作られている現場を見るのは重要だと改めて感じた2日間。販売イベントでは、それこそ「商品」のやりとりだけのコミュニケーションに陥りやすい。これは物理的な距離には依らない。遠方でもイベント会場に顔を出してくださる方もいるし、密なメールのやり取りで親密感を得ることも少なくない(それで私は、徳島の器れもんさんや神戸カナウ、神戸萌友さんをはるばる訪ねたのだ)。
第3ポピーの家の壁に何とはなしに貼ってあった2015年の12月カレンダー。全日休み!!
ともあれ、実際にどういう流れで、雰囲気で、コミュニケーションを経てモノづくりが行われているかを知っておくのは、委託であれ人にモノを届けるものとしては必要なこと。そう思っていてもなかなかすべての施設を回ることができていなかったのだけれど、今回は参加事業所すべて回る!と決意。かなりタイトなスケジュールにはなったけれど、れいさんと一緒に調布市内を走り回り、おかげでこれまでまったく馴染みのなかった調布の地理に詳しくなった(笑)。
めじろ作業所のホープ。細かい手作業が得意!
それぞれの事業所での滞在時間は30分程度ながら、それでもスッとその事業所の雰囲気や姿勢が感じ取れ、ときに違和感を感じる場面も多々あった。特にこれまでと違って、今回は私たち自身がピックアップした事業所ではないから、モノづくりやアート制作として「このやり方はどうなのだろうか…」という、いってみればこれまで避けてきた「THE福祉」的な現場の現実を改めて突きつけられた感じ。職員や指導者の強固な「枠」のなかで、ダサくてセンスがないものを作らされるという。。(写真はその例としてあげているのではありません!)
「不本意なものを作らされる」ということは何も福祉の現場に限ることでないし、「それが社会というものだ」と言えばそれまでなのだが(まぁ私自身だってそういう仕事はいくらだってやっている…)、福祉の現場では「不本意なものを作らされている」かどうか認識できない人たちだっている。それに私は、「社会」と同じルールではなく(あるいは「社会」のルールを変え得るかたちで)モノづくりができる可能性をみて、福祉に関わるようになったのだ。
これは甘っちょろい理想論かもしれないということもわかっているが、今回の訪問で、とある事業所でのやりとりは、強烈に福祉の暗部を感じさせるものだった。アートの指導を行っている60代と思われる職員さんは、自身がきっちり指導して出来た作品と、自由に描かせた作品を見せてくれた。うがった見方ではなく、私たちには自由に描いた作品の方が数段素晴らしいものに思えたが、そんなこと百も承知だった職員さんはこう言った。「自由にやらせた方が、あなた方が気に入る作品になるんでしょうけどね」。
ふみ月チャレンジたま川にて。カメラマンのれいさんと。
また今回の展示会はは、障がい者福祉だけでなく、発達障害の子どもたちを対象とした放課後デイサービスも参加。 活動内容も作品作りに対する姿勢もバラバラな複数の事業所とともに、1つの展示を作っていくのは、めちゃくちゃエネルギー使いますけど笑、ただひたすら、いいものにしたいと思う、もう、それだけです。
詳細はGOEN enen PROJECTのページでご確認ください。