CHOFU-fufu2019 ~楽園~

2月に開催したばかりなのに、12月4日から11日まで、早くも2回目をやるというとても変なスケジュールなのだが、ふたたび調布市のフクシ事業所の作品展CHOFU-fufuの、コーディネート、デザインに関わっている。 まぁほんとにいろいろあって、行政と一緒に何かをやることの難しさや、何とも言い難い矛盾を感じながらやっている部分も多いのだけど…笑。

気を取り直し、ポスターとチラシは今回も2種で、写真はいつもお願いしている 出原 麗 さん。1パターンは調布駅からスグの歓楽街「調布百店街」のアーチの前。市はこの場所での撮影に難色を示したけど、事業所の方々と強いつながりがあるということで(どんなつながりだ笑)押し切った。そこそこ交通量の多い道路を挟み、しかも通勤の方々もまぁまぁ歩いているなかでの撮影で、モデルさんたちの集中力もきれるなか、なかなか苦労した一枚。

2種類目は、この裏の森に鬼太郎が住んでいる「布多天神」(ウィキペディアによると創建年代は不明だが、927年に編纂された神名帳に記述があるそう)の鳥居の前。図らずも、いわゆる「聖と俗」の「境界」前での撮影となった。

今回は市からの意向により、メイン会場となる調布市文化会館のほか、市内のカフェやギャラリーにも展示を拡大し。。。合計8カ所の準備は、当然まだまだ終わっていなくて吐きそうである…。

手で描く指で描く@調布祭りワークショップ

準備を進めている調布市のパラアート展。2回目となる今回は、市や連絡会からの要望もあって、事業所の垣根を超えた共同制作品に取り組むことになり、夏休み期間中は、いろいろな場所・かたちで制作をすすめた。

会場の一つには、一般客が多く訪れるという「調布まつり」@京王閣も含まれていた。野外でそこそこ広いスペースを確保できるということで、壁一面に自由にダイナミックにペイントするワークショップを最初は提案した。誰もが参加しやすいし、そこでできた作品も二次使用しやすい。打ち合わせの時に、篠原有司男(ギューチャン)の「ボクシング・ペインティング」の写真を、参考イメージとして事業所の方々に見せたら、とても反応が良く盛り上がったのだが、役所はちょっと渋い顔。

篠原有司男の作品「歌舞伎マイケル・ジャクソン」(2009)。写真は美術手帖ウェブより

結局会場(京王閣)からの「汚れたら困る」の一声で、ダイナミックなペイントはできなくなった。会場はもちろん、服が汚れたらどうする、洗い場は十分ではないetc…どうにかしてやる方法を考えるのではなく、とにかくのっけから「できない」ではじまるのには毎回閉口させられるが。。。それで「身体を使って描く」ということをテーマにしながら、指や体の一部を使って描く「点描」をやってみようということになった。基本はフィンガーペイントだが、足でもいいし、口を使ってもいい。

7月24日の調布まつり@京王閣のパラアートWSブース

当初、何か描くモチーフを設定しようかという話にもなったが、一般の方々が多く参加するイベントで、何かひとつのモチーフを完成に導くのはなかなか難しいという声があったので、今回は色を指定することにした。オリンピックの会場を有する調布市としては、来年のオリンピックイヤーがひとつのピーク。このパラアート展CHOFU-fufuもオリンピック委員会からの認証を受けているイベントであり、市としてはこの共同制作も来年のオリンピックに何かしら(グッズ作りなど?)に活かしたいと考えているらしい。個人的にはオリンピック関連には乗り気ではないし、盛り上げる筋合いもないけれど、まぁそんなこともあり、今回のフィンガーペイントは、赤、黄色、緑、青、黒と、5色のオリンピックカラーを使って描くこととした(ちなみにパラリンピックのカラーは、赤、青、緑の3色であるが)。色に罪はなし。

一枚の紙に5色すべて使って描くものと、赤、青、緑、黄色、黒、それぞれ1色のみを使って描くパターンと2種類制作。

実は、この日私は参加できなくて、他の方々に完全にお任せだったのだけど、予想以上にたくさんの方に参加してもらったようで何より。あとでフィードバックしてもらった話によると、手に絵の具をつけて描くということに躊躇している子たちが結構多かったとか。好き/嫌いは当然あると思うけど、とにかく自由にグチャグチャにやる、というカタルシスを体験してもらうというのも、個人的には一つのテーマだったのだけれど。

緻密な肖像画を描くことでおなじみの、とある事業所のL君が、このワークショップでは指を使って熱心に塗りたくっていたというのを聞き(&写真で確認し)、客観的な「才能」と、本人がやりたいことというのは当然ながら別なこともあるんだよなぁと、思わず考えてしまう(L君がそうだ、と言っているわけではない)。それは障がい者だけの問題ではない。「好きなことをする」「好きなことを伸ばす」という、世間でしばしば掲げられるスローガン、それってそう簡単じゃないから常に主張され、「ビジネスの可能性の中心」みたいに語られ続けられていると思うのだけれど。

ジブリの森を抜け調布を歩く

昨日仕事でほんのちょびっとジブリ関連に触れたのだが(といっても大した話ではないw)、京都アニメーションはジブリ作品にも参加していたと知った。そして今日。吉祥寺からバスに乗って車窓からジブリの森美術館。井の頭公園から続く湿った緑が美しい。

「こんなに世界は美しいのに。こんなに世界は輝いているのに」by ナウシカ

行先は調布市深大寺近く、地元で取れた野菜などの卸売り販売所「深大にぎわいの里」内にある 「街のアトリエ」。市内にある障がい者福祉作業所「しごと場大好き」さんで、アートの指導を行っているアーティスト山田はるこさんが運営する地域に密着したアトリエだ。

今年2月にコーディネーターとして関わった調布市のパラアート展「CHOFU-fufu」の第2回目を、早くも12月に行うことになったのだが、今回は私たちコーディネーターだけではなく、市内で活動するアーティストの方や美術の先生の方々にもアドバイスをいただきながらすすめることになり、その打合せとして「街のアトリエ」に集合したのだった。この日の議題は、7月24日と近々に迫っていた「調布サマーフェスティバル2019」@京王閣でのペインティングのワークショップ。平日のイベントにも関わらず、来場者は5000人と市内のイベントでは大きな祭りなのだそうだ。

限られた予算のなかで、そのほかいろいろとクリアしなければならない条件があるなかで、絵の具はどうするか、紙は何を使うか、ブースをどう設置するか、参加者をどのように誘導するか、そしてもちろん作品はどんな方向性にするかetc….。サンプルを見ながらあれこれ検討。当初は、篠原有司男氏の「ボクシング・ペインティング」みたいに身体全体を使って絵を描くことを考えていたのだけれど、市や施設からの条件をいろいろ考慮していくうちにどんどんダイナミックさが削られていき…(苦笑)。結局、フィンガーペイントに落ち着いたのだけれど、それでもまだまだクリアしなければならないことが多々。あらゆるブレーキは、不安(たとえ1%でもあっても)によってかけられる。

打合せが終わってから、次の仕事まで少し時間があったので、周辺をブラブラ。「街のアトリエ」の階下にある「深大にぎわいの里 調布卸売センター」をのぞくと、市内の採れたて野菜がズラリ。いろいろ買いたくなったけど、さすがに職場にネギしょっていくわけにもいかず、指を加えて見るのみ…。レトロな肉屋、雑貨屋が並んでいて、ふっとかつての調布の賑わいを想像してみたり。

近くを流れる野川も美しく、そしてさらに歩くと深大寺。この時期緑が美しい調布です。ある地域にみっちり関わっていくことの楽しさを、このアート展を通して味わっている。

調布市パラアート展~CHOFU-fufuに向けて②

「しごと場大好き」のみなさん。公園清掃中の合間をぬって撮影。職員の方が「今日写真撮るよー」と言ったら、メンバーさんたち大喜び(笑)

今年度は大きなイベントをやる予定のなかったGOENですが、”ゴエン”ありまして、来年2月に開催予定の、調布市の福祉事業所の作品展をコーディネートすることになりました。浅草でのイベントは毎年2月だったので、「搬入は2月13日になります!」と言われたとき、妙なデジャヴ感が・・・笑。

“調布”という地名は、古代律令制の租庸調・三種類の税のうち、各地の特産物の「調」として布を納めていたことから生まれたと言われています。そのほか調布市内には、「布田(ふだ)」「染地(そめち)」という布に関連する地名があります。

このわかりやすい地図は公益財団法人「調布医師会」のサイトより

市郷土博物館によると、布が名産だったわけではないようです。「多摩川に さらすてづくり さらさらに 何そこの児の ここだ愛(かな)しき」という、多摩川にさらした手織りの布のようなかわいい女児を詠んだ万葉集の和歌が、調布のイメージを後世にふくらませたとのでは、と考えられているようです。江戸後期にも歌川国芳が「武蔵国調布の玉川」という浮世絵に、女性が多摩川に布をさらす様子を描いています。


鈴木春信「調布の玉川」

そんな調布でのイベントなので、タイトルは「CHOFU-fufu(調布-布々)」と決めました。「ふふふ」という思わずもれちゃうような笑声もイメージしています。

そして布といえば!仙台のtam tam dotさんとの出会いから、GOENでもやらせてただいているトワル製作を、今回もやります!今回もTadfurさんにトワルをご提供いただきました。

晴れたり、曇ったり…の、天候が不安定の中の撮影。多摩川にて。

先日ポスター&チラシ用の撮影を終えました(ここにアップしているのは、私の素人写真です)。ちょっと天候が不安定の中での撮影となりましたが、すてきなポスターになりそうです!詳細はまたおいおいお知らせいたします。